お客様の裏話

史上最悪のお店存続の危機!過去一番反省した一日

僕の飲食業人生は、アルバイト時代から合わせると現在20年ほどになります。

これまで、たくさんの苦労や危機がありますが、この出来事を忘れるわけにはいきません。

今では話す事ができるようになりましたが、しばらくは恥ずかしくて話す事なんてできませんでしたから。

繁盛店で気の緩みが!?海鮮バイキングで食中毒

僕は何軒かのお店で働いてきましたが、その中でも忘れることができないのは食中毒を出してしまったことです。

忘れもしません。食中毒を起こしてしまったのが2010年の12月。

当時、海の近くの飲食店で違う業態として、海鮮をバイキング形式で提供しているお店の運営を任されていました。

バイキングで好きな海鮮を自分で取って、自分たちで焼き台で焼くスタイルは、連日ありがたい事にお客様が多く訪れてくれるようなお店です。今ではよく見かけるスタイルですが、当時は、なかなか画期的な営業スタイルだったんです。

その日も、玄界灘で取れた新鮮な魚介を並べ、とてもやりがいのある仕事に始めて任される僕は全力でぶつかりました。

お店の一番の売りは牡蠣。当時、働いていたお店近辺は牡蠣が有名で、牡蠣と一緒に様々な魚介を楽しめるというのがウケてました。

その日も多くのお客様が来店していただき、営業は終了。その日は何事もなかったのですが、その次の日に一報が入ります。

「お店で食事されたお客様が体調を崩した。どうやら牡蠣にあたったようだ。」

その一報に僕は一気に血の気が冷めました。

「そんなに症状は重くはないようだが、病院で検査してもらったら食中毒だと診断されたとのこと。たぶん症状的に牡蠣だろう。」

牡蠣にあたると言ったら“ノロウイルス”

日頃から生ものを扱っていたため衛生管理には気をつけていたんですが、こんな事態になるとは・・・かなりショックを受けました。

食中毒でお店存続の危機!?どうしたらいいの?

その持ち場を任されていたのは僕です。

始めての出来事でかなり責任を感じたのを覚えています。生モノを扱う難しさを知りましたし、忙しい事を理由に、管理が行き届いていない現実にへこみました。

しかし、へこんでいてもお客様が食中毒になってしまった事には変わりません。お店側としては保健所へ連絡後、保健所の指示に従わないといけません。

保健所の立ち入り検査が実施され、お店は2日間の営業停止を受けることとなり、しばらくの間、牡蠣を取り扱うことも禁止しました。

もちろん営業ができない期間は売り上げもありませんし、牡蠣をメインに営業していたので、営業が再開しても売り上げは期待できませんでした。

食中毒を起こしてしまったことで、何重もの痛手を受けたのです。

よくあの時こうしていればこんな事にはならなかったのに・・・と、後悔することがありますが、あの時ほど後悔したことはありません。今、思い出しても情けないなぁ・・・って反省します。

食中毒にあわれたお客様に謝罪!思わぬ結果に

食中毒を起こしてしまった時に、最も大切なのはお客様への対応です。

せっかくウチのお店を選んでいただき楽しく食事されたのに、思いもよらぬ結果で体調を崩されたのですから、もう二度とあのお店には行かないと思うことでしょう。

何事も始めての経験だった僕は、お客様に謝罪の電話をして終わりとばかり思っていましたが、それだけでは間違っていました。

当時は何も知らなかったので、営業停止を受けることでお店側は食中毒の制裁を受けたと勘違いしていたんです。実際は、食中毒を起こされたお客様に、直接謝罪するのが本当の誠意ある行動だとその時始めて教わりました。

その時の店長は当たり前のように謝罪へ行く様子で、僕は行かなくていいと思っていたのですが、当時の支配人の一言で一緒に謝罪へ行くことに。

「お前も一緒に謝罪して来い。何事も経験だ。」

それを最初に言われた時は正直、「マジ?」っていう気分になりましたが、今思うと、あの時の支配人の言葉がありがたかったです。

そして車で2時間ほどかけ、店長とお客様の自宅へ謝罪へ。途中でお見舞いの菓子折りを購入し、お客様の自宅へ。自宅に着くまで「絶対に怒られるだろうなぁ。。。」という不安ばかりで緊張していました。

自宅に到着すると、お客様は笑顔で出迎えてくれるという思わぬ展開。

「こんな遠くまで謝りに来てくれてありがとう。」と一言。

正直、かなり構えていたので、緊張が一気に解けました。

「そんなに大したことじゃないから気にしなくていいよ。」と一言。

またしても思いもよらぬ言葉に、完全に気が抜けた感覚でした。拍子抜けした感じで、安心した自分がいました。

「今回は誠に申し訳ございませんでした。」と伝えると、

「本当に大したことないから気にしないで。またお店にも行かせてもらうから。」

玄関口で謝罪とお見舞いの菓子折りとお見舞金を渡し、その場はすぐに終わりました。

「わざわざありがとう。気をつけて帰ってね。」

その言葉を最後にお店へ戻ったのですが、車内での店長との会話は忘れられません。

店長「一緒に来てどうやった?」

僕「正直、緊張したんですけど、こんな感じなのかなぁ…って思いました」

店長「勘違いしたらいかん。今回のお客様はたまたま良いお客様だっただけで、毎回こんなに良いお客様ばかりではない。今回が稀なケースなだけ。」

そう言われて、改めて身が引き締まる思いでしたし、その時のお客様には感謝しかありません。

お店に戻り、事情を支配人に説明。支配人も納得の様子でしたが、支配人に重要な事を聞かされます。

「食中毒という電話を受けた時、いち早く事の重大さを受け止め行動したのが店長。その行動のおかげで今回は大事にならずに事を得た。」

そう支配人から聞かされ、どうやら店長が謝罪やお客様の体調をこまめに連絡をとっていたらしく、その行動にお客様も誠意を感じたのです。

僕は、かなり店長の行動に助けられました。何事もいち早く行動することが大切なんだと教わりました。

もし、あそこで謝罪も遅い、対応も遅いとなれば、新聞などに店名まで出され公表されていたことでしょう。そうなってしまっては手遅れで、今後の営業に支障をきたす事は間違いないでしょう。

飲食店で働くことは、チームで営業していることをその時、実感しました。「一人で抱え込むな。」と店長に言われている気がしましたし、自分もチームの為にもっと成長しなくてはと強く思った出来事でした。

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